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地震・水害への備え|コレクションの置き方と記録の残し方

地震・水害への備えとは、被害が起きてから動くのではなく、起きる前に置き場所・固定・記録を決めておく準備のことです。結論から言うと、家庭でできることは「自分の家のリスクを調べる」「倒れない・濡れない置き方にする」「何がどこにあるかの記録を残す」の三つに集約されます。非常時にものを取りに戻る前提の備えにはしないでください。資料保存の公的な手引きでも、災害時にまず優先されるのは人命であり、安全が確認されてから資料の作業に入ると整理されています。この記事では、事前にできることだけを順に扱います。日常の保管については保管方法の基本を、手元のカードの現在地は相場データベースで確認してください。

備えは起きる前にしか決められない

図: 災害対策の四段階(予防・準備・対応・復旧)

災害への対策は、時間の流れで段階に分けて考えると整理しやすくなります。国立国会図書館の資料防災のページでは、資料防災対策を予防、準備、対応、復旧の四段階に分け、特に予防と準備にどれだけ取り組めているかが、被災後の対応と復旧に大きく関わると説明されています。

家庭に置き換えると何をする段階か

予防は、被害が起きにくい状態をつくる段階です。置き場所の見直しや棚の固定がここに入ります。準備は、起きたあとに困らないための用意で、何がどこにあるかの記録や、連絡先の控えがこれにあたります。対応と復旧は起きたあとの話で、家庭のコレクションの場合、ここで取れる手は限られます。だからこそ、手を打てるのは前半の二段階だという理解が出発点になります。

危険を洗い出してから減らす

同じ資料防災のページでは、予防の進め方として、まず自分のところにどのような災害や事故の危険性が潜んでいるかを調査して危険度を評価し、次にそれらの危険を除去するか、できる限り減らす方策を考えて実行する、という順序が示されています。家庭でも同じで、対策の道具を買うより先に、どこが危ないのかを見て回るほうが効果があります。

まず自分の家のリスクを調べる

同じ地震でも、家の立地や構造によって揺れ方は違います。水害にいたっては、その土地が想定される浸水の範囲に入っているかどうかで、必要な備えが大きく変わります。

ハザードマップで土地の条件を見る

前述の資料防災のページでも、何から始めたらよいかという問いに対して、最初にすべきことは想定すべき災害のリスクを把握することで、まずは自治体が作成しているハザードマップを確認するよう案内されています。国土交通省と国土地理院が運営するハザードマップポータルサイトでは、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報を地図に重ねて表示でき、住所を入力してその地点の災害リスクを調べることができます。市町村が公開しているハザードマップへのリンクも用意されています。

家の中のどこが危ないかを見る

土地の条件が分かったら、次は部屋の中です。背の高い棚の近くで寝ていないか、収納が水回りに接していないか、床に直接置いた箱がないか。この時点では対策をしなくてよく、危ないと感じた場所を書き出すだけで十分です。書き出した順に、後述する置き方と固定の手を当てていきます。

置き場所を決める四つの条件

図: 置き場所を決める四つの条件(高さ・水回りからの距離・出入口・重さの配置)

置き場所は、次の四つの条件で見ていくと判断しやすくなります。どれも道具を買わずに始められます。

条件見るところ考え方
高さ床から何段目に置いているか床に近いほど浸水や下からの湿気の影響を受けやすい
水回りからの距離洗面所・台所・窓・配管の近くか結露や漏水など、災害以外の水にも触れにくい位置にする
出入口倒れたときに通り道をふさぐか逃げ道に影響しない配置を優先する
重さの配置重いものが高い位置にないか重いものほど下に置き、落下の危険を減らす

逃げ道を先に確保する

四つのうち、優先順位が高いのは出入口です。総務省消防庁の家具の配置についての解説では、壁を背にした家具は前方に倒れてくるため、就寝の位置は家具の高さ分だけ離すか家具の脇にするほうが安全であること、家具は出入口付近に置かないか、万が一倒れても通り抜けられる空間を残せる位置に置くことが示されています。コレクションの置き場所も、この条件の中で決めることになります。

重いものほど低い位置に

同庁の重い物は低いところへの解説では、重い物ほど下に入れるのが家具を倒れにくくする大原則であり、重い物が高い位置から落ちてくるときの危険性を考えても下に入れたほうがよいと説明されています。まとまった量の箱は、それ自体がかなりの重さになります。高い棚に積み上げる形は、揺れたときの危険と、落ちたときの被害の両面で不利になる傾向があります。

棚と家具を固定する

図: 家具の対策三つ(壁への固定・背の低い家具・扉のロック)

置き場所を決めたら、その入れ物が動かないようにします。ここは公的な広報でも繰り返し案内されている領域です。

壁への固定と、置く家具の選び方

首相官邸の災害が起きる前にできることでは、大地震が発生したときには家具は必ず倒れるものと考えて転倒防止対策を講じる必要があること、家具が転倒しないよう壁に固定すること、寝室や子ども部屋にはできるだけ家具を置かないこと、置く場合もなるべく背の低い家具にして、倒れたときに出入口をふさがないよう向きと配置を工夫することが示されています。コレクションを置く棚も家具の一つとして、同じ扱いで考えてください。

扉のロックとガラス面

前述の消防庁の家具の解説では、開き扉は地震時に開きやすく、吊り戸棚では揺れで扉が開くと収納物が上から飛び出して危険なため、閉じたときに自動的にロックされるタイプが望ましいこと、揺れが治まってすぐに開けると中で倒れている物が落下してくることがあるため注意が必要なことが説明されています。ガラス面については、割れても破片が飛び散らないようガラス飛散防止フィルムを貼る方法が挙げられています。扉付きの棚に収納している場合は、中身が飛び出さないかどうかを一度確認しておくと安心です。

固定できない住まいの場合

賃貸などで壁に穴を開けられない場合もあります。その場合は、そもそも背の高い家具を使わない、収納を床に近い低い位置にまとめる、就寝場所から離すといった配置での対応が中心になります。固定の方法は住宅の構造によって選択肢が異なりますので、壁の種類に応じた方法は消防庁の固定できる壁の見分け方で確認してください。集合住宅では、隣戸との境の壁や外部に面する壁が共用部分とされているのが一般的で、金具の取り付けについては管理事務所や管理組合に確認が必要になる場合があります。自宅以外に置く選択肢については自宅以外に置くときの考え方にまとめています。

水に弱いという前提で置き方を決める

紙のカードは水に弱く、濡れると元の状態に戻せないことがあります。地震より先に、雨漏りや結露、配管からの漏水といった日常の水のほうが遭遇しやすいという見方もできます。

床に直接置かない

浸水は床から始まります。床に直接置いた箱は、少量の水でも底から吸い上げてしまう場合があります。棚の一段目に上げる、脚付きの台に載せるといった数十センチの違いが、結果を分けることがあります。水害の危険が想定される地域では、より高い位置へ移す判断も現実的です。

入れ物そのものが備えになる

国立国会図書館の解説 5分でわかる資料保存 vol.1 保存容器では、保存容器の効果として、温度と湿度の変化を緩和する、光やちり・ほこりから守る、衝撃を緩和する、火災・水害・地震の被害を軽減する、という点が挙げられ、保存容器への収納は小さな保管環境を整えることを意味すると説明されています。ふた付きの丈夫な箱に入れておくだけでも、水やほこりに触れるまでの時間を稼げる場合があります。日々の湿度管理は保管環境を数字で管理する方法を、実際に濡れてしまった場合の初動は濡れ・カビが出たときの手順を参照してください。

記録の残し方と控えの置き場所

図: 備えとして残す四つの記録(一覧・写真・保管場所・控えの分散)

被害に遭ったあと、何がどれだけあったのかを説明できるかどうかで、その後の手続きの進み方が変わることがあります。記録は準備の段階でしかつくれません。

残すもの内容置き場所の考え方
一覧何を持っているかの目録。分類の単位は自分が探しやすい形でよい紙と電子の両方に残す
写真収納の全景と、主要なものの個別。日付が分かる形で手元の機器だけに置かない
保管場所どの部屋のどの棚に何があるか家族にも分かる書き方にする
控えの分散一覧と写真の控えを別の場所にも置く同じ家の中だけに置かない

記録は被害のあとにも必要になる

前掲の資料防災のページでは、災害時の初期措置について、被災状況および初期対応の記録を取っておくことも重要だと示されています。事前の一覧があれば、被害の範囲を後から説明しやすくなります。保険や共済の手続きでどこまで求められるかは契約によって異なりますので、加入内容の確認とあわせて防犯・保険の考え方も読んでおいてください。

控えを同じ家に置かない

一覧も写真も、同じ部屋の同じ棚にだけ置いていては、その棚ごと被害を受けたときに残りません。紙の控えと電子の控えを分ける、実家や職場など別の場所にも置くといった分散が有効です。日々の整理の延長で更新できる形にしておくと続きます。整理の方法はファイル整理の運用、定期的な棚卸しは棚卸しの手順にまとめています。

非常時の考え方|人の安全が先

ここまでは事前の話です。実際に災害が起きたときの考え方も、あらかじめ決めておく必要があります。

安全が確認されてからの作業

前掲の資料防災のページでは、災害が発生したときの初期措置として、第一に人命を優先すること、建物内や周囲の安全が確認されてから被害が拡大しない措置と救出作業を始めること、大きな地震の場合は余震によって建物や設備がさらに損傷することがあるため注意が必要なことが示されています。台風や洪水などで被害があらかじめ予想できる場合についても、避難する時間と経路を確保できる場合に限り、可能な範囲で保護や移動を行うという書き方になっています。家庭のコレクションにそのまま当てはめれば、避難の妨げになる行動は取らないという結論になります。

だから事前に決めておく

非常時に判断できることは多くありません。だからこそ、倒れない置き方、濡れにくい高さ、記録の控えという三つを、平常時に済ませておく意味があります。家族と連絡が取れない状況も想定し、安否確認の方法を事前に話し合っておくことも、首相官邸の災害が起きる前にできることで案内されています。ものの心配より先に、人の安全の段取りがある、という順序を崩さないでください。

やってはいけないこと

備えのつもりで、かえって危険を増やしてしまう形があります。

高い場所にまとめて積む

水を避けようとして、重い箱を高い位置に積み上げるのは避けてください。前述のとおり、重い物が高い位置にあると家具は倒れやすくなり、落下したときの危険も大きくなります。水害の想定がある場合でも、固定できる低めの棚と、ふた付きの容器を組み合わせるほうが安全です。

取りに戻る前提の置き方にしない

非常時に持ち出す前提で玄関や通路に箱を置くのは、逃げ道をふさぐことにつながります。前述の消防庁の家具の配置についての解説でも、倒れた家具が出入口をふさぐ危険が繰り返し指摘されています。また、備えを口実に貴重なものを人目に付く場所へ集めるのは、防犯の面では逆効果になる場合があります。保管場所を家族以外に詳しく話さないといった配慮も含め、防犯・保険の考え方とあわせて判断してください。

まとめ|決められることだけ先に決めておく

備えの中身は特別なものではありません。リスクを調べる、置き場所を決める、固定する、記録を残す。この四つを平常時に済ませておけば、非常時に迷う場面が減ります。公的な資料が一致して示しているのは、優先されるのは人命であり、ものの保護はその後だという順序です。手元のカードの現在地を把握しておきたい場合は高額買取ランキングもあわせて確認できます。飾って置いている場合の条件は飾るときの注意、移動をともなう場面は引っ越しのときの扱いにまとめています。

FAQよくある質問
Q. 災害への備えとして最初にやることは何ですか?
自分の家のリスクを調べることです。公的な資料でも、最初にすべきことは想定すべき災害のリスクを把握することで、まずは自治体のハザードマップを確認するよう案内されています。対策の道具をそろえるのは、危ない場所を洗い出したあとで構いません。
Q. カードは高い場所と低い場所のどちらに置くべきですか?
一律には決まりません。浸水を考えると床から離したほうがよい一方で、重いものを高い位置に置くと家具が倒れやすくなり、落下の危険も増します。固定できる低めの棚と、ふた付きの容器を組み合わせる形が現実的な場合が多い傾向があります。
Q. 賃貸で家具を壁に固定できない場合はどうすればよいですか?
背の高い家具を使わない、収納を低い位置にまとめる、就寝場所や出入口から離すといった配置での対応が中心になります。固定の方法は壁の種類や住宅の構造によって選択肢が異なりますので、消防庁の解説などで自分の住まいに合う方法を確認してください。
Q. 災害のときにカードを持ち出したほうがよいですか?
避難の妨げになる行動は取らないでください。資料保存の公的な手引きでも、第一に人命を優先し、建物内や周囲の安全が確認されてから作業を始めること、被害が予想できる場合でも避難する時間と経路を確保できる場合に限って保護や移動を行うことが示されています。
Q. 記録はどこまで残しておけばよいですか?
何をどれだけ持っているかの一覧と、収納の全景や主要なものの写真、保管場所の説明があれば、被害の範囲を後から説明しやすくなります。控えは同じ家の中だけに置かず、紙と電子、別の場所というように分散させておくと残りやすくなります。

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